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【境港市】<港珈琲 井川>セピア色の空間でゆったりコーヒーを

境港の海岸通りから一歩、昭和の香り残る古民家でコーヒーやランチをふるまう、10席ほどの隠れ家的喫茶店。

米子市淀江町の「トリヱcoffee」に注文するオリジナルブレンド(500円)は苦味とコク、酸味のバランスが良く、優しい香りにフッと疲れが抜けていく。

 

ランチは野菜や果物ベースの家庭的な味わいに食が進む牛すじカレー(サラダと副菜付き、1,300円、写真。平日はコーヒーもセット)、または日替わりからチョイス。

ほぼ月曜日固定で提供するオムライス目当ての常連もいるそう。

ホットケーキや自家製小豆のトーストなど、手作りのスイーツも◎。

 

店主が「店舗に入った瞬間、香りにほれ込んでしまった」というトリヱcoffeeは、生豆を1粒ずつハンドピックし、丁寧な焙煎で仕上げる自家焙煎の店。

試行を繰り返して、好みの味にブレンドしてもらったという豆を、注文ごとにサイフォンで入れてくれる。

均整が取れた飲みやすい1杯は、途中南国の花のように華やかな風味もして、じっくり五感を研ぎ澄ませるコーヒータイムの豊かさを思い出す。

ドリンクでは自家製シロップで作るホットジンジャー、カシスやざくろのクリームソーダも人気。

店主は長くアパレルにも携わっていたそうで、店内には質のいいレディース古着や小物も置かれている。

アンティーク着物のレトロな着こなしも提案したいと、古着物を扱う知人と展示販売のイベントも開催。

 

イベントは主に、雰囲気たっぷりの店内和室や隣接する倉庫を利用。

ジャンルは人気の占い系のほか、音楽ライブ、ハンドメイド、服飾、フードとさまざまで、Instagramで告知するので頻繁にチェックしたい。

 

築60年ほどになる古民家を、DIYや知人の助けを借りて手入れした店舗。

カフェを開ける物件を探したとき、ドアをあけた瞬間に「ここだ」と確信したそう。

席数はわずかだが、不思議とくつろげる空間は「家に帰ってきたみたい、とよく言われます」。

 

もともと、趣味の範囲で…と週末だけオープンさせていたカフェだが、人生の岐路に人やものとの良い出合いが引き寄せ合うように重なり、本腰を入れることになった。

大きな告知はせず「体や家族の事情と相談しつつ、わがままにやっている」という店に、馴染みの顔や観光客が集い、ゆるゆると過ぎる時間を楽しんでいく。

 

「看板猫がいるので入口にフックで鍵をしていることが多いのですが、お客さんが来ると先客の誰かが『いらっしゃい』って自動ドアみたいに開けてくれるんです」

笑顔がチャーミングな店主は還暦を迎えたそう。

ふるまわれたコーヒーをいただきながら、こんな風にしなやかに年を重ねたい、と憧れた。

 

港珈琲 井川
住所:境港市栄町21-1 【MAP】
営業:12:00~18:00(夏季は水・土曜日の夜営業も)
休み:木曜日
駐車場:なし(海沿いに駐車可能)
営業時間についてはInstagram「sumii1219」も参照、問い合わせは同DMへ。
1人営業のため入店できない場合があります。

 

(記事は2024年4月8日現在)

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