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冷え克服へ!ーvol.1ー体質別にみる冷え
本格的な冬到来。身体の「冷え」が気になっている人も多いのではないでしょうか。「冷えを克服へ!ーvol.1」では、手足の冷えに悩むりびえ~る記者が、きらら薬局でカウンセリングを受けました。
「冷えを克服へ!ーvol.2 身体のゆがみを整える」はこちらから
あなたはどのタイプ?
自分の体質や冷えのタイプを、国際中医師Aの資格を持つきらら薬局の足立由鹿さんにカウンセリングしてもらいました。
Q.冬は冷えが気になります。冷えは万病の素といいますよね。冷えが引き起こす身体の不調にはどんなものがありますか?
A.身体が冷えると血の巡りが悪くなります。血液が通じていないと、身体にさまざまな痛みが出てきます。これを中医学では「不通則痛(ふつうそくつう)」と言います。あざができて血が通ってない部分には痛みがありますよね? それと同じです。
冷えによっておこる痛み
・肩凝り
・関節痛
・神経痛
・腰痛
・頭痛
・生理痛
・下痢
「これらの症状は身体を温めることで改善するものも多いですよ」(by足立さん)
冷え予防の基本
・お風呂は湯船につかって温まる
・短いスカートなど身体を冷やす服装はやめる
・自分の体温より冷たいものは飲まない
ふきだし
「冷たいものを飲んでも冷たいおしっこは出ないでしょ? 体温維持にはたくさんのエネルギーが必要なのに、さらに余分なエネルギーを使うことに」(by足立さん)
Q.朝や仕事中は手足が冷えているのですが、夕方ごろからは逆に火照ったように感じます。これもやはり冷え性でしょうか?
A.「冷えます」という人の中には、実は冷えていない人もいます。本当に冷えているのか、その冷えがどんな原因で起こるのか見極めることが大切です。
中医学の考え方では、人体内を巡る「気」・「血」・「水」が健康を支える3本柱です。これらが滞っているのか、不足しているのか、6つの状態が自分の体質を作り上げる要素になります。まずは自分の体質をチェックしてみましょう。
体質チェック!!! 自分にあてはまる項目の点数を合計してみましょう 〇〇〇
■合計10~19点…その体質要素の兆候あり
■合計20~29点…その体質要素を持っている
■合計30点以上…現在の心身の不調や病気に直接結びつく体質要素
気滞(きたい)~気の流れが滞る体質。心と身体のリズムに不調を起こしやすい。
①不安や憂うつ感がある。イライラして怒りっぽい。 5点
②胃やおなかがはり、ゲップやガスが多い。5点
③(男)両脇あたりがつっぱる感じがする
④(女)生理の周期が不順、生理前に下腹部や乳房が張る 5点
⑤下痢と便秘を交互に繰り返す 3点
⑥のどにものが詰まったような感じがする 3点
⑦ため息をつく 3点
⑧片頭痛がよく起こる 3点
⑨眠れない、よく夢を見る 3点
⑩口の中が苦い 3点
⑪舌は両端が赤く、こけがある 3点
●合計( )点
冷えタイプ 手や足、下半身だけなど部分的な冷えを感じる
瘀血(おけつ)~血の流れが滞る体質。老廃物が除去されにくい
①顔や唇の色が暗い 3点
②慢性的な肩こりや頭痛がある 3点
③慢性的な関節痛がある 3点
④身体にしこりがある 3点
⑤動悸がする、不整脈がある 3点
⑥(男)皮膚の毛細血管が浮き出ている (女)生理痛がひどい、生理にレバーのような血の塊が混じる 5点
⑦下肢の静脈瘤が目立つ 5点
⑧シミ、シバカスが多い 2点
⑨便が黒っぽい 2点
⑩舌は紫色に近い、シミのような斑点がある。舌下静脈が太い 7点
●合計( )点
冷えタイプ 血や気の巡りが悪く冷える
痰湿(たんしつ)~水の流れが滞る体質。体液がだぶついて脂肪も蓄積しやすい
①よくめまいと吐き気がする 3点
②痰が多い 3点
③軟便、下痢をしやすい 3点
④むくみやすい 3点
⑤身体が重だるい 5点
⑥太っている 5点
⑦血中コレステロール、中性脂肪が高い、体脂肪率が高い 5点
⑧肌が脂性、吹き出物ができやすい 2点
⑨頭が重い 2点
⑩舌の表面に厚くてベトベトしたこけが多い 5点
●合計( )点
冷えタイプ 冷たいものを取りすぎて身体が冷えている
気虚(ききょ)~気が不足する体質。心と体を支える力が弱くエネルギーが切れやすい
①疲れやすく、だるくなりやすい 5点
②かぜをひきやすい 5点
③息切れしやすい 3点
④冷え性 3点
⑤声が細く、大きい声が出ない 3点
⑥胃がもたれやすい、食が細い 3点
⑦軟便、下痢をしやすい 3点
⑧むくみやすい 2点
⑨頻尿、夜間尿がある 2点
⑩舌は色が淡く、むくむ、ふちに歯の痕が見えることもある 5点
●合計( )点
冷えタイプ 気が不足しており、全身がとにかく寒い。下痢やむくみなど冷えによっておこる症状も出る。
血虚(けっきょ)~血が不足する体質。血液の栄養と潤いがすみずみまで届きにくい
①顔色が白く、つやがない 5点
②めまい、立ちくらみがする 5点
③手足がしびれる。こむら返りを起こしやすい 5点
④抜け毛が多い、白髪が多い 3点
④かすみ目、疲れ目がある 3点
⑤皮膚がカサカサしてつやがない 3点
⑥爪が白っぽく、薄くて割れやすい 3点
⑦動悸がする 2点
⑧よく物忘れをする 2点
⑨舌は色が淡く、小さい 5点
●合計( )点
冷えタイプ 血が身体に足りず、栄養が身体の隅々まで届いていないことによって冷えが起こる
陰虚(いんきょ)~水が不足する体質。栄養と潤いが消耗してオーバーヒートしやすい体質
①のぼせ、ほてりがある 5点
②寝汗をよくかく 5点
③夕方以降になると微熱が出やすい 3点
④顔色が赤い 3点
⑤口やのどが渇き、冷たいものをほしがる 3点
⑥空せきが続く 3点
⑦目が乾きやすい 3点
⑧耳鳴りがする 3点
⑨便がコロコロしている、便が出にくい 3点
⑩舌は赤い、表面に裂け目があり、こけがほとんどない 5点
●合計( )点
冷えタイプ 身体の一部分がほてる。身体にうるおいがなく冷やす力がない
りび記者のカウンセリング結果は!?(◎_◎;)
血が足りない「血虚」から状態が進んで「陰虚」になっています。
血がないので栄養と気のエネルギーがなく、エネルギーがないから身体を温める力がないのです。夕方に火照ってくるのは、栄養不足でうるおいが足りず冷やす力もないためです。
りび記者
「エネルギーとうるおい不足…。だから冷えたり火照ったりするんですね。確かに疲れやすいし、お肌や目も乾燥しがち…。カウンセリングを受けると自分の身体のことがよくわかって改善しないとという気持ちになりますね。やはり漢方がおすすめですか?」
足立さん
「気や血の流れが滞っている人と不足している人では症状は似ていても、処方する漢方は違います。漢方は弱い・効かないとよく言われますが、自分の体に合ったものをうまく使えば西洋薬よりも効果を発揮します。毎日の食養生や生活改善と合わせて、ぜひ取り入れてみてください。冷えていると思ったら、身体の状態を見極めるために、まずは一度ご相談ください」