島根のきぬむすめ米粉をブレンドした皮が特徴のたいやきは、焼く間もお米の甘い香りが漂う。

メニューは「子どもから年配の人まで食べやすく」と考えて選んだこしあんに、カスタード、季節限定あんを加えた３種類（各150円）。

外はカリッと、中はもっちりしており、なめらかで甘さ控えめなあんと相まって上品なおいしさ。

焼き立てはもちろん持ち帰りをトースターで焼くと食感が強調され一層おいしく！

焼く様子を見せてもらった。

生地を流し、しっぽの先まであんが入るよう細かく調整し、生地を追加。

鉄板を閉じるととたんに香ばしい香りがたちのぼり、行きかう人の鼻先をくすぐる。

焼き上がりまで10分足らず。

取材の間に何人も、うれしそうに買い求めるお客さんの姿があった。

「地元・島根のものを使いたい」「小麦アレルギーのある子どもから年配の人までおいしく食べてもらえるように」…二つの思いをかなえた米粉のたいやき。

焼き立てはふんわり、時間がたてばしっとりとして、中は柔らかなおもちのよう。

きぬむすめの米粉だけでは理想の焼き上がりにならず、粉のブレンドには試行錯誤したそう。

繊細な米粉の皮に、口当たりなめらかで甘さ控えめなこしあんがよく合う。

たいやきにこしあんは珍しいのでは、と尋ねると、「小豆の皮や粒が舌に当たって気になる子どもさんがいるので、みんなが食べやすいこしあんにしてみました」と店主のこだわりがのぞいた。

季節限定あんは、取材時はかぼちゃ。このほか秋はさつまいもがメインで、春夏はイチゴや抹茶が登場して人気を博したそう。カスタードクリームもあっさりと美味で、選ぶのに迷いそうだ。

持ち帰りしたときは「トースターで焼いてもらうと、表面が焼き立てのときよりカリッとして食感が楽しくなりますよ♪」とのこと。

想像するだけでおいしそう！　帰社後、撮影用にいただいたものを社内のトースターで再加熱してみた。

パリッとした歯ざわりに続けて、とろけるモチモチ生地、しっとりしたこしあん…作り手が熱くすすめるだけあった。ぜひお試しを！

ベビーサインやベビーマッサージ、ヨガ教室など、子どもや体のことに関する講師をしている店主。

スポーツイベントでフードの屋台を出し、その楽しさにはまったのが開業のきっかけだ。

「子どもからお年寄りまで、誰もが食べやすいものを提供できたら…と考えて、行きついたのがたいやきでした。ゆくゆくは天候に左右されないキッチンカーに切り替えて、ハムやチーズなど塩系の具が入ったものなど、メニューも増やしたい」と目を輝かせた。

心を込めて焼き上げるたいやきのふっくらとしたおなかには、おいしさに加えて、ホカホカの思いやりと愛情も詰まっているに違いない。