グルメ
心あたたまる手作りパンが勢ぞろい<ぱんのやまきち>安来
小麦粉にほれ込んだ店主が作るパンが人気を呼び、料理店から一新。
食べやすいベーシックな菓子パン・総菜パン、焼き菓子はもちろん、イチ押しのハード系まで25~30種ほど並ぶ品々からは、材料を吟味し愛を込めて作られているのが伝わる。
あんやカスタードも手作り。週末を中心に作られるカンパーニュやリュスティックは、噛みしめるほどにうま味が広がり、食事にも◎。
写真は左奥から、山型食パン/1本(1.5斤)560円、フィナンシェ/1個180円、メロンパン/198円、あんぱん/128円、クリームチーズとブルーベリーのベーグル/258円、ソーセージベーグル/186円。あんバターフランス/228円。
シンプルなフランスパン・リュスティックにバターと自家製あんを挟んだ人気の一品。
大きな口を開けてがぶりといけば、小豆の風味が残るすっきりしたあん、うま味の強い生地をバターがクリーミーにつなぎ、甘じょっぱいおいしさが広がる。リュスティックの単品は小108円。
カンパーニュ/680円。
全粒粉やフランスパン用の粉を独自にブレンドし、大山のクロモジや安来のシャインマスカットなど、地元の素材を使った自家製酵母で発酵させる。酸味はほどよく、噛めば噛むほどふくよかな味わい。
ハード系のパンはほかにもバゲットなどがあり、いずれも美しく開いたクープ(フランスパン表面の切れ目)から、手をかけ慈しまれて焼き上げられたのが伝わる。
店主でパン職人の山本治城(はるき)さんが、繊細な味覚で素材を吟味している。
求める味に近づけるため、「塩パンのオリーブオイルを変えたときは、いったい何本のオイルで試したことか」と妻の紀子さんも苦笑交じり。
一方で、仕上がりがおいしく目指すイメージに近ければ、いわゆるブランドネームに左右されることがない。例えばチョコクロワッサンにはM社の板チョコをチョイス。どこか親しみのある味がうれしい。
クリームパンなどは、さっと買えるよう数個作り置きをするだけで、注文すれば手作りのカスタードをその場でパンに詰めてくれる。
バニラビーンズの香る控えめな甘さのクリーム、あっさりした小ぶりなパンで、またたく間にぺろり。
丸パンにたまごサラダを挟んだたまごパンや、カレー&ナンセットなどはランチにも。
毎朝でも食べ飽きない食パンはぜひ、あれこれ買って食べ比べてほしい。
左から角食パン1本(2斤)760円、山食パン1本(1.5斤)560円、ぶどうパン、豆パンいずれもハーフ380円。
築130の蔵を改装した料理屋として長らく親しまれ、今も店内にはその名残が残る。
治城さんは、もとはスペインやフランスの料理を得意とし、おまかせで腕を振るうことも多かったそう。
独学で作り始めたうどんやパンは、もとが研究熱心な職人肌なだけにぐんぐん上達し、やがて店の看板に。
パンに特化するにあたり、7台駆使していた家庭用オーブンを石窯の大型オーブンにチェンジし、バラエティも数量もアップ。
同じ生地を使ったパンでもメニューごとに発酵時間などを変えるなどして、味わいに変化をつけている。
いそいそと窯に向かう治城さんと、夫を支えながらほがらかに接客する紀子さん…仲睦まじい夫婦のやりとりに、なんだかジブリ映画に出てくるあの店を思い出す。
ぱんのやまきち
住所:安来市安来町1909 【MAP】
電話:0854-22-5881
営業:11:00午前11時半~売り切れ次第終了(最終午後7時)
休日:日・月曜日、ほか不定休あり
駐車場:あり
IG:こちらから
(記事は2022年12月22日現在)