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【出雲市】<出雲茶寮 藤> 出雲抹茶をラテやスイーツで堪能
出雲大社近くの神迎の道沿いに5月、抹茶ラテのテイクアウト専門店としてオープンした。
一風変わっているのが、カウンターを挟んだ目の前で抹茶をたて、ミルクに注いで提供するスタイル。
茶釜から湯気が立ち上る様子や、茶杓(ちゃじゃく)で抹茶をすくい、シャカシャカと茶筅(ちゃせん)を振る手元を眺めていると、
あっという間に「心づくしの一杯」が出来上がる。
使用するのは出雲抹茶で、日照時間が少ないこの地域だからこそ、うま味が増して緑色の発色もきれいな上質な抹茶に育つのが特徴だそう。
そんな抹茶をミルク、自家製きび糖シロップと合わせたのが、出雲抹茶ラテ。
最初の一口を口に含むと、苦みだけではない深い味わいが伝わってきて、きび糖シロップ、ミルクと混ざるとまた違った表情をみせる。
出雲抹茶ラテは茶葉の種類によって、スタンダード(550円)、リッチ(770円)、プレミアム(1,200円)と選べる。
ほうじ茶ラテや、和紅茶ラテもあり、夏季限定で「レモンと抹茶」も登場している。
店主は藤間彩恵さん。
2020年に夫の地元に家族でUターンしたのを機に、茶道を習いはじめたのがお店を開くきかっけになったという。
「お茶をたてるのは茶道のごく一部で、季節によって道具を変えたり、もてなす相手によって掛け軸を選んだり、言葉以外でおもてなしの心を伝えるその奥深さに魅せられました」
その一方で、お茶文化が古から息づく地域でありながら、若い人がお茶に触れる機会が少ないと感じたといい、茶道の一端に触れつつカジュアルに抹茶を楽しめる場を作ろうと、立ち上がった。
「ゴールは茶道人口が増えることですが、まずはコーヒーを飲む感覚で抹茶を楽しんでもらい、地域の魅力も伝えたいです。抹茶がスーパーで買えるなんて、埼玉出身の私には驚きでしたから!」と藤間さんは笑顔を見せる。
カジュアルでありながら、相手のための一杯を作る「おもてなし」の心が常にある。
新しくも懐かしくて温かい場所は、季節を問わず足を運びたくなる。