吸盤を思わせる装飾がモダンな店内で焼きたてを食べられるたこ焼き店。

本場・大阪で修業した若き店長が腕を振るう。

いりこや昆布から丁寧に取った出汁で仕込んだ生地を焼き上げると、多めに入った天かすの効果でふっくらトロリ。

甘み・酸味が絶妙のソースや、卵の風味が生きたマヨネーズも手作りというから驚き。

女子のダントツ人気が、鉄板で溶き卵とチーズに火を通し、焼きたてのたこ焼きにのっけたふわとろチーズ（写真手前、6個650円）。

ほんのり香るスパイスが絶品のネギマヨ（写真奥）とはぜひ食べ比べを。

イートイン限定のお子様メニューもうれしい。

ふわとろチーズのトッピングは、鉄板でとろとろに火を通した卵とチーズ。

生地と合わせていただくと食べごたえ満点。

こちらはネギマヨ（6個550円）。

刻みネギにソース、マヨネーズと定番の組み合わせに、ぱらりとかかったスパイスがいいアクセント。

スパイスも独自の調合で、ステーキなど肉料理寄りの香りがたこ焼きに不思議と合う。

普段あまりマヨネーズ系を選ばない記者だが、ぽってりした口当たりのマヨとソース、うま味の強い生地にすっかり魅入られてしまい、全12個をぺろりと平らげてしまった。

生地に合わせる出汁はイリコや昆布から。

「イリコは頭と内臓をひとつひとつ手で取り、えぐみがないように下ごしらえしたり、昆布は最もうま味を引き出せるタイミングを見極め、雑味が出る前に引き上げています。
マヨネーズやソースも、生地に合うものを店で作っているんですよ」

おいしさの秘訣を話してくれたのは、石富史哉代表。

トッピングや味付けが美味なのはもちろん、最後に口に残るのが出汁のうまみ、というのに納得。

基本に忠実に、かつ大胆に切り込んでくる味わいはまさにサムライといったところか。

たこ焼きは現在９種類で、４～10個が2個単位でオーダーできる。

最も手ごろなものがソースなしの「ボウズ」で４個300円～。

イートイン・小学生以下限定のお子様セットは、ソース・マヨの有無にも対応するたこ焼き４個と、おかわりOKのジュース、ミニゼリーにおもちゃ付き。

石富代表は取材時28歳の若さながら、電気工事・電気通信の会社を興して4年目。

社業の将来を見すえて飲食店も展開しようと、大阪のたこ焼き店へ修業に出した社員を店長に据え、本場の味にオリジナリティを加えて提供する。

「僕はアルバイト経験が30件以上とすごく多いんですが、辞めずに長く続いたのがラーメン店と居酒屋。
誰かのために何かすること、食を通じて人を喜ばせることが好きなんです。これからも新しい事業にチャレンジしていきたい」

出雲大社からほど近い国道431沿いに現れる和モダンな店舗は白いちょうちんが目印。

飲食店がなかった同地域への開店を喜ぶご近所さんはもとより、立地がら観光客も多く立ち寄っていき、テイクアウトもまさに「ひっぱりだこ」の人気だそう。

インパクトのある店舗名も「謎の多い店名のほうが、ひとつのメニューに染まらず、いろんなものを出していけるから」という柔軟なビジョンによるもの。

タコであり、サムライであり…山のふもと、東林木から快進撃が続きそうだ。