読みもの

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コラム◆◇◆神の住む島・屋久島に暮らして VOL.7

屋久島の大自然の恵みで育った、春を告げる果物

つい先日、年が明けたばかりのような気がするのに、あっという間に2月も後半となりました。いつも読んでくださる皆さまのおかげで、今年もこうして屋久島の素晴らしさをお伝えできる連載を続けさせていただけて、うれしいです。ありがとうございます。

前回は、『屋久島の食』と題して、屋久島の魚のお話をしたのですが、今回も引き続きおいしいものをご紹介したいと思います。というのも、まさにこれから“旬”を迎える「たんかん」という屋久島の特産品があるのです。

屋久島の太陽をめいっぱい浴びて育つ「たんかん」

たんかんは、2月から3月にかけて収穫される柑橘(かんきつ)系の果物で、ポンカンとネーブルオレンジの自然交配種の一種といわれています。日本では生産の約8割を鹿児島県が占めており、特に屋久島や種子島、奄美大島、徳之島などの離島で栽培されています。それは、たんかんを育てるには年間平均気温19~22度が適しているからだそうです。屋久島でのたんかん栽培が本格的になったのは、昭和34年以降のこと。標高の高い山々からの冷たい吹き下ろしの風と、亜熱帯の暖かい気候の寒暖差により、おいしいたんかんができあがります。

生産量が少ないため、なかなか本土には出回らない希少な柑橘類の一種です

たんかんは、皮が固いのが特徴で最初は少しむきにくいのですが、その皮をむいていくと芳醇(ほうじゅん)な香りが漂ってきます。気になる味わいは、とにかく甘くて濃厚!たんかんの糖度は、11~14度とされ、柑橘類の中ではトップクラスといわれています。そして、とってもジューシー!

初めてたんかんを食べたとき、ジュースを飲んでいるのかと思ったほどです。さらに、たんかんには、カリウム・カロテン・クエン酸・ビタミン類なども豊富に含まれていて、ビタミンCの量は温州みかんの約2倍。美容にも健康にも良いのです。

「東洋の名果」と呼ばれ、春を告げる果物の屋久島たんかん。程よい酸味とのバランスが絶妙で一度食べたら忘れられない味わいで、そのジューシーな甘さの虜(とりこ)になること間違いなしです。屋久島には他にも大自然の恵みをたっぷり受けて育ったポンカンや、完熟マンゴー、パッションフルーツ、グァバなどおいしい果物がたくさんありますので、ぜひ味わってみてくださいね。

三島佳奈

松江市浜乃木のライフスタイルショッブ「志庵」オーナー。「心と体に佳いものを」をコンセプトに、2年間暮らした屋久島の食品や工芸品などのほか、日々の暮らしに寄り添う洋服と雑貨を扱う。

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