読みもの
創る<水引細工作家 山中康子さん>(松江市)
オリジナルの水引作品を通して 島根の魅力を発信
宍道湖や椿、松など、地域を代表する風物を水引で表現するなど、独自の水引作品世界を発信している縁結び水引のんこと、水引細工作家の山中康子さん(48)。
「水引を結ぶ、ご縁を結ぶ」をコンセプトに作品を制作しながら、作品を通して「ご縁の国島根を知ってほしい。ものづくり半分、観光半分」と笑う。
山中さんが水引細工と出会ったのは、今から約15年前、夫の転勤先の金沢市。
加賀水引を知り、水引で作るアクセサリーなどのかわいい作品を見て、「細い線が、いかようにも形を変えて、面白いなーと思った」と山中さん。
松江に戻り、レジンなどのハンドメードアクセサリーを販売していたが、より個性的なものを作りたいと、ふと思い出したのが加賀水引。
松江も「和」の似合う町だから水引細工をやってみようと、独学で取り組み始めた。
当時、カラコロ工房で作品の販売と併せて制作体験教室も開催。
参加した観光客に観光案内もしたところ大変喜ばれたことをきっかけに、島根の魅力発信のため、島根をモチーフにした作品へと変化していった。
自己流で不安もあったが、枠にとらわれない個性ある作品として唯一無二だと考えるようになり、今は「何を題材に、どう形にするか考えている時が楽しい」という。
「日本の伝統である和紙を使った水引という文化を、外国人や子どもたちにも伝えていきたい。
縁結び水引を島根のブランドとして知ってもらえるよう、よりよいものを作っていきたい」と目を輝かせた。
プロフィール
やまなか・やすこ 1974年生まれ。
観光関連の職歴を生かし、ものづくりと観光案内を合わせた活動を行う。「和心プロジェクトin島根」という女性3人のグループを立ち上げ、水引、畳、墨絵体験ができるワークショップも開催。枠にとらわれない水引細工の制作や販売を手がけ、作品販売は「松江歴史館ミュジアムショップ縁雫」「玉造国際ホテル」「いろは舎」、制作体験(英語対応可)は「おせわさん」などで。
問い合わせは山中さん(メールpeekaboo988@gmail.com)へ。
10月12・13日には、山陰中央新報文化センター松江教室でも特別講座を開催。