読みもの
コラム◆◇◆神の住む島・屋久島に暮らして VOL.6
驚きのおいしさ 屋久島の魚
秋も深まり、気持ちのいい季節の到来です。秋といえば“読書”“スポーツ”“紅葉”など、いろいろとありますが1番はやはり“食欲の秋”でしょうか。屋久島のことを聞かれるときに多いのが、食べ物はおいしいのかどうかということ。 実は屋久島移住を決めた理由のひとつが、食べ物がおいしかったから。そこで今回は、食欲の秋にちなんで『屋久島の食』の魅力をご紹介します。
おいしいものだらけの屋久島の食べ物の中で私が一番驚いたのは、屋久島の魚のおいしさでした。屋久島の海には暖かな海流・黒潮が流れ込んでおり、その海流が多くの魚を連れてきます。魚種の豊富さは、全国魚種確認調査コンテストにおいて過去3年連続で日本一になったこともあるほどです。
中でも年間約1,000トンが水揚げされ捕獲量は全国1位ともいわれている魚が「トビウオ」。島根でも有名な魚ですが、屋久島では生のままお刺し身にしたり、トビウオ自体が大きく身もしっかりしているのでそのまま素揚げにして食べたりします。羽(胸ビレ)もポリポリと食べることができるのです。
そしてもうひとつ、驚きのおいしさだったのが「首折れサバ」と呼ばれる屋久島のブランドサバです。 賞味期限が12時間以内ともいわれる首折れサバは、サバを水揚げするときに首を折って血抜きをするという屋久島の漁師さんたちが昔から行っていた特別な技法が使われ、ただでさえ新鮮なサバの鮮度がより落ちにくくなるのだそうです。
初めて首折れサバを見たとき、身がピカピカと照り輝いていて本当に驚きました。屋久島でしか食べることのできない首折れサバのお刺し身は、身がぎゅっと締まっていて、プリプリの弾力とコリッとした歯ごたえ、ふくよかな脂が口に広がり、それはもう絶品です! 青魚のお刺し身が苦手な私でさえ、ひと口でそのおいしさの虜になってしまいました。この首折れサバはいつでも食べられるわけではないので、もしも出逢うことができたなら、迷わず食べていただきたい一品です。島根県も魚のおいしいところですが、屋久島の魚も甲乙つけがたいおいしさですよ。
雨が多く水の循環が盛んに行われる屋久島だからこそ、山や森、里そして海にまで栄養が滞りなくいきわたり、そんな豊かな自然の中でおいしいものがたくさん育まれるのだと思います。
ぜひ屋久島に行かれた際には、自然とともに食もご堪能ください。
三島佳奈
松江市浜乃木のライフスタイルショッブ「志庵」オーナー。「心と体に佳いものを」をコンセプトに、2年間暮らした屋久島の食品や工芸品などのほか、日々の暮らしに寄り添う洋服と雑貨を扱う。
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